当店の定番商品、アスティエ・ド・ヴィラット。
黒い土色がうっすら透ける、白い釉薬が美しいブランドです。
いつかは自宅にお迎えしたい、と憧れをもつ方も多いもの。
その反面、確立された世界観ゆえ、「食卓にどう取り入れよう?」と迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで、実際に毎日の生活に取り入れている方々にどう使っていらっしゃるか、アスティエにまつわるオハナシをお聞きしました。
第3回は、アスティエを使ったテーブルコーディネートが美しいizumi(@spring.g7127)さん。
テーブルの上で展開される世界観に魅了されます。
アスティエと他の食器の合わせ方がとても素敵なizumiさん。
Regenceのオーバル皿には、arabiaのTalvikki(タルヴィッキ)シリーズのヴィンテージ食器を合わせるのが定番なのだとか。
「手持ちの器やカトラリーの中で、アスティエと相性がいいのはどれだろうと、組み合わせを考えるのも楽しみの一つです。
写実的な苺の花が美しいTalvikki(タルヴィッキ)は、シックな雰囲気がアスティエと相性が良くて。Regenceのエレガントなレリーフに、ぴったりだなと思っています。」
アスティエを他の食器とコーディネートするときは、曲線の美しさが感じられるものや、古いものを合わせるとしっくりまとまると言います。
中華せいろとアスティエがこんなに合うなんて!と驚いた一枚。
和食器にはシンプルなデザインのアスティエが馴染むそう。
フラットなBacのプレートを中華せいろの受け皿代わりに使うことが多いと言います。
「この写真は中華蒸しパンを作ったときのもので、お湯呑みもRegenceのタンブラーを合わせました。
井藤昌志さんのデルフト皿とリムトレイの草木染めの色味と、安藤雅信さんの片口の銀彩の色味を同系色でまとめて、アスティエとの調和を意識しています。」
これまでご紹介した焼き菓子は、実はすべてizumiさんの手作りなのだとか。
「焼き菓子を大皿にどーん、と盛り付けるスタイル。
アスティエの器に盛り付けると、焼き菓子も素敵に見えてしまうから不思議です。」
ご家族の好物で毎年作るいちごのレアチーズタルトは、アスティエで食べるのが特にお気に入り。
「ニュアンスのある白が、可愛らしいいちごのデザートと良く合うと思っていて。
Perlesのプレートの清楚な雰囲気に合わせてみました。」
今やたくさんのアスティエをお持ちのizumiさん。
初めてのアスティエは、友人から8年前のお誕生日に贈られたCresusのラージティーカップでした。
「初めて手にした憧れのアスティエは繊細でどこか儚げ。
家族にうっかり使われてしまっては大変!と”取り扱い注意”の器として、しばらく飾り棚に飾って愛でていました(笑)」
しばらくして、一緒にいただいたシュトーレンと共におろしたそう。
「ゴールドの縁取りが華やかで美しく、特別感のあるデザインがホリデーシーズンの雰囲気にぴったりで。
豊かなひとときでした。
Cresusのカップは、8年経った今も変わらず、特別な存在です。」
その頃から、家事の合間に自分のためのお茶時間を、好きな器で楽しむようになったそう。
最初は1人でお茶を楽しむ時にのみ登場していたアスティエ。
そのうち誕生日や記念日の度に少しずつアイテムが増えていきました。
「黒い土の色がうっすら透けた、グレイッシュな白の色味が好きなんです。
釉薬のかかり方ひとつとっても、同じシリーズの器の中で、ひとつひとつ個性があって。
スタイリッシュだけど手作りの温もりを感じられるところが魅力だと思います。」
器を選ぶ時は、アスティエなどの白い器をベースに、ガラスものや銀彩を施した器、白黒の絵柄のものなど、シックな雰囲気のものをついつい手に取ってしまうそう。
もの選びの基準は“眺めているだけで気分が上がるもの”。
「暮らしの傍らに、お気に入りがあると頑張れるので」と笑います。
izumiさんが眺めていたいものの一つに、金継ぎしたアスティエの器があります。
不注意から割ってしまったこのAdelaideのボウルは、ご主人に金継ぎしてもらったのだとか。
「ショックでしばらく放心状態。ただ、割れ方としては美しかったんです(笑)
パズルのように欠片を組み合わせられたので、手先が器用な夫にお願いしました。
金のラインが入ったことで、縁取りが可憐な印象からクールでモダンな器に生まれ変わりました。
元に戻るどころか、むしろ魅力が増したと思います。」
より愛着が湧いて、いつも目につくところに飾っているそう。
“眺める” という視点で選ばれた器たちが、今日もizumiさんの毎日を支えています。
2022.09.02
関連するアイテム