くすっと笑ってしまう
唯一無二のイキモノの世界

2019年からオルネでお取り扱いがはじまりました、廣田哲哉さんの作品をご紹介します。

廣田さんは茨城県笠間市にて、手びねりという、ひとつひとつ手で成形する技法で制作されています。

廣田さんの頭の中から生まれた架空のイキモノたちは愛くるしく、まるでイキモノたちがうつわに化けているような、どこかシュールでじわじわとくる魅力があります。
オブジェのようだけれど、きちんと使える、そんなユニークさ持ち合わせたうつわたちです。

 

廣田哲哉 Profile

1985年 奈良生まれ
2009年 武蔵野美術大学陶磁コース卒業
笠間焼製陶所勤務
2014年 独立

廣田さんとの出会いは益子の陶器市でした。

動物モチーフの可愛らしい作品とは一線を画す、甘すぎず、どこか毒っけのある作品に目が惹かれ、お声掛けしたのがはじまりでした。

じっくり見てみると、細部にまで造形のこだわりがあって、その技術の高さにびっくり!
アスティエの食器のような、綺麗な食卓に、廣田さんの醤油さしが加わると、面白い化学反応が起きそうな予感。

アンティークとの合わせも良く、特にティーポットは、ロシアやフランスのアンティークに通じるものがあるように感じます。

 

廣田さんに聞いてみました!

廣田さんに作品作りのことに関して、面白いお話を色々とお伺いしました。

どのようにして廣田さんの唯一無二の世界観が出来上がっていったのか、その秘密にせまります!

 

廣田さんにしか表現できない世界観が人気ですが、イキモノシリーズを作るきっかけを教えてください。

廣田さん(以下、敬称略):小さい頃から食卓の器に生き物が混ざったようなモノがあったらともやもやしていました。
焼き物やり始めて、古い焼き物を調べていたら、中国の唐の時代の古陶磁器の作品で顔のついた鳳凰の壺みたいなものやミックスされているものを発見して、こういうスタイルをもうちょっとポップにアレンジしていきたいと思うようになりました。 

 

作品を制作する上で心がけていること、こだわっていることは何ですか?

廣田:イキモノの器の顔の位置とか大きさはすごく気にしてる気がします。器に対して心地良い大きさと場所を探してる感じです。その上で顔の表情がかわいくなったらいいなと思ってます。

 

作品を制作する上で大変なこと、苦労していることがあれば教えて下さい。

廣田:手びねりで一個ずつ作って、彫ったりしてるので、シンプルな轆轤の器に比べると時間がかかってしまうんですが、そこを続けて強みにしていきたいです。

 

自由な造形だけでなく、まるで絵本から飛び出したような色使いも廣田さんの作品の魅力の一つですが、釉薬のこだわりなどあれば教えてください。

廣田:中国の顔のついた焼き物がいいなと思ったんですが、色合い渋いモノばかりな印象で、釉薬で親しみやすい色合いにアレンジできないかなという想いがありました。

例えば、ディズニーのキャラクターの色合いにしたら面白そうだなとか。

釉薬は常にテストピースを窯に入れて色々試した(約1500ピースの)中から、普段使うもの10種類くらいに絞って使ってます。使いたい釉薬が多すぎて、白黒以外の色はメンバーが変わったりしてます。

 

廣田:配色は何パターンも実験してというストイックな感じではなくて、はじめは遊びながら直感で色付けして、良かった部分を残してを繰り返して今に至ります。

最近は、目と鼻の色はパターンを決めていて、耳の中とか、首とか蓋物のつまみとか装飾の部分の色はあまり決めすぎず遊びながら色付けしてる気がします。

形の成形の段階で色付けしやすいような模様とかをあらかじめ作っておいて、色付けの時に直感で付けるのが好きです。窯から出てきた時に自分もびっくり出来るポイントを作りたくて、遊びの部分を作ってます。

前回不動前店で開催した個展で廣田さんの作品をご購入くださったお客様が「この子をお迎えできてよかったです」とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
「買う」ではなく「お迎えする」と表現したくなる、そんな作品たちです。

 
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