オルネ ド フォイユで最も古株のスタッフチノは、
南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。
オルネ ド フォイユで最も古株のスタッフ
チノは、南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが
高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。

ドイツ在住スタッフ・チノ

2005年よりドイツのミュンヘンに在住。リモートワークでWEBショップの制作を担当しています。旅行、山歩き、甘いものが好き。

03「春と冬、行ったり来たり」

2月から3月へ。

すこしづつ日が長くなり、晴れた日に部屋に差し込む光にも明るさが戻ってきているのに気づきます。

薄暗い冬の間は見落としていた室内の埃や窓の汚れが目につくようになり、気持ちよく掃除をしたいところですが、窓を開ければまだ空気は冷たく、水仕事は先送りです。

冬の間にヒョロヒョロになった植物たちも、仕立て直してあげないと...

2月の初めごろ、春の兆しをまず最初にもたらすのは鳥たちです。建物の中庭に、鳥の囀りがふたたび響きはじめます。

川沿いの林や公園を散歩すれば、キツツキが木をつつくカタタタタ〜ンという音がどこからか聞こえてきます。視界の隅になにか動くものを捉えて、リスかな?と目を向けると、Kleiber(ゴジュウカラ)が器用に木の幹を這い回る姿でした。

アカゲラ。音はすれど姿は見えず、ということが多い。

リスはいつもちょろちょろしています。

木々が芽を吹くのはまだまだ先ですが、地面からはまず一番にクロッカスの花が顔をのぞかせます。それから、可憐なスノードロップや、Winterling(キンポウゲ科の背の低い黄色い花)が続きます。まだ寒いのに大丈夫かな、とこちらが心配になるくらい、一斉に。

スノードロップ

Winterling

久しぶりに青空が広がれば、人間たちもいてもたってもいられません。みんなぞろぞろと家から出てきて、散歩をしたり、公園や道端の陽だまりに腰を下ろし、あるいはただ立ち止まって日光浴をしたり。そんな様子を見て思い浮かべるのは「啓蟄」という言葉。人も虫も同じですね。

あたたかい場所にぞろぞろと集まってくる人間たち。

しかし喜びもつかの間、暖かな日差しを楽しんだ翌日には、また灰色の空がどんよりと広がります。さらには吹雪まで加わって、一気に冬景色に逆戻り、ということもしばしば。

ドイツの春は寝坊助で、二度寝、三度寝は当たり前。目覚めたかと思えばまた布団に潜り込んでしまうといった具合で、三寒四温の繰り返しが復活祭を越えて4月まで続きます。安心して春を謳歌することができるようになるまで、もう少しの間、辛抱です。

雪に埋もれたクロッカス。


Butterkuchen

ブッタークーヘン

新年からカーニバルを経て復活祭まで、春はイーストを使ったケーキやドーナッツが良く作られるシーズンです。生地が膨らむ様子が生命力を感じさせるからでしょうか?

今回はそんなイースト生地のケーキの中でも一番シンプルな「ブッタークーヘン」の作り方をご紹介します。ブッタークーヘンはバターケーキという意味。パン生地に、バターと砂糖をトッピングして焼いたものです。

大きなトレーケーキとして作られて、四角く切り分けて食べるのが一般的。あまりに素朴すぎてお店ではそんなに見かけません。どちらかというとお家で作るケーキですね。

イースト生地(シナモンロールとかピザとか)を作り慣れていれば難しいところは特にないのですが、大事なポイントは「バターと砂糖を、ひるまずにたっぷりと掛けること」。バターや砂糖の量を控えるくらいなら作らない方がマシで、砂糖をじゃりじゃりと食べる背徳感?を楽しむケーキともいえます。

こちらはファーマーズマーケットで売っているブッタークーヘン(右)。お砂糖ジャリジャリです。

【材料】 25×40cmくらいの型

生地

  • 小麦粉 400g
    (薄力粉または薄力粉と強力粉半々)
  • 生イースト 20g
    (インスタントドライイーストなら8g程度)
  • 砂糖 60g(好みで一部をバニラシュガーに)
  • 牛乳 180ml
  • 溶かしバター 60g(冷ます)
  • 卵 1個
  • 塩 少々

トッピング

  • バター 100g
  • アーモンドスライス 100g
  • 砂糖 75g
  • 生クリーム適量(オプション)

※生イーストを使用していますが、インスタントドライイーストでも作れます。その場合は8g程度で、予備発酵はしなくてOKです。

※生地作りの作業はパン焼き器やオーブンの発酵モードなど、作りやすい方法で構いません。

※適当な型がなければ、ピザのようにフリーフォームで作ってください。

予備発酵

小麦粉の中央にくぼみをつくって、人肌に温めた牛乳を入れます。
牛乳に生イーストをほぐしながら入れ、砂糖を分量から大さじ1ほど加えて、真ん中だけ軽く混ぜます。

周りの小麦粉を、牛乳にかぶせるようにかけて、15分ほど予備発酵させます。
少しブクブクとして、かぶせた小麦粉にヒビが入ってきたら発酵している合図。

※インスタントドライイーストを使用する場合
予備発酵はせずに、全部の材料を混ぜます。粉→液体の順に混ぜ、バターは最後に徐々に加えていくとまとまりやすいです。

捏ねてまとめ、一次発酵

卵、砂糖、塩、冷ました溶かしバターを加え、ハンドミキサーのこねるアタッチメントなどを使ってこねます。
弾力とツヤが出てまとまったら、濡れ布巾をかぶせて1時間ほど温かい場所で一次発酵させます(どんどん膨らむようならもう少し短くても大丈夫です)。

【余談】冬場はこの「暖かい場所」がなかなか無く、膝にボウルを抱えてデスク仕事したりすることも(笑)

伸ばして二次発酵、トッピング

膨らんだ生地を空気を抜きながら均等に伸ばし、バターを塗った型に敷き詰めます。
麺棒できれいに伸ばさなくても、指でならすように広げていけばOK。
(写真はオーブン皿に入れたので厚めですが、本来は2cm程の厚みです)

布巾をかぶせて15分程休ませます(二次発酵)。

膨らんだら、指で穴を開けます(3〜4cm間隔)。穴に小さじ1程度にちぎったバターを詰めていきます。

グラニュー糖とアーモンドをトッピングします。生地が見えなくなるまでたっぷり!

※トッピングのバター、砂糖、アーモンドの量は、伸ばした生地の面積によって前後します。生地全体をしっかり覆ってください。

オーブンで焼く

180度のオーブンで20〜25分ほど焼いて出来上がりです!
(アーモンドが焦げそうだったら途中で上にトレーを差し込むなど調節してください)

多くのレシピでは、温かいうちに液体の生クリームを掛け染み込ませる、という手順が最後にあるのですが(追いクリーム!)、当然べちゃっとするので個人的にはなくてもいいかなと思います。あるいはホイップしたクリームを添えるほうが、お好みで調節が効きますね。

トレーで焼くならこの半分くらいの厚さでいいと思います。
温かさが残るくらいでも、冷めてからでもおいしいです。

GUTEN APPETIT !

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