南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。
チノは、南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが
高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。
ドイツ在住スタッフ・チノ
05「アルムの牛祭り」
夏の長いバカンス期間が終わり、生活が次第に通常運転へと戻っていく9月。ミュンヘンでは9月半ばから年間最大の行事、オクトーバーフェスト(ビール祭り)が開催されます。季節の変わり目のため、年によっては雨続きということもありますが、今年は期間中ずっと天候に恵まれて、来場者数も過去最高を記録したそう。
自分はお酒はまったく弱いので、ビールを飲みに行くぞ!とはならないのですが、巨大なテントや大規模なアトラクションが並ぶ会場は壮観で、ぶらっと立ち寄るだけでも十分お祭り気分を味わえます。
さて、200年続いているオクトーバーフェストもいろいろと興味深いのですが、今回は別のお祭りのお話を...
Almabtrieb
南ドイツ、オーストリア、スイスにまたがるアルプス地域では、高地放牧が行われています。6月ごろになると牛(羊・山羊も)を山の上のアルムに連れて行って、夏の間はそこで新鮮な草を食べさせるのです。夏山にハイキングに行って出くわすのはそういう牛たちですね。
そして秋が来て気温が下がると、ふたたび麓の農場へと連れ帰ります。そのアルムの仕事納めの際に、牛たちに美しい飾りをつけ、山から谷へと群れを率いて降りてくるのが、Almabtrieb(アルムアプトリープ)というお祭りです。
地域や標高などによって時期は異なりますが、9月いっぱいアルプス地域のあちこちで行われます。もみの木の枝やアルムの草花、造花やリボンなどで手作りされた牛の頭飾りが華やかで、山や田舎の風景とも相まって、とても魅了されるお祭りです。
準備に手間暇がかかるので、全ての農場が下山の際にお祭りをするわけではありませんが、伝統や風習を守って(あるいは地域振興のために)アルムアプトリープを行なっている場所がまだ残っているのは嬉しいですね。牛や農場の人たちのハレ姿を見ると、普段乳製品をたくさん消費している身としても、あらためて感謝の気持ちが湧いてきます。
今回訪れたのは、オーストリア北部、チロルの小さな町です。
思ったより大きなイベントで、小さな町にぎゅうぎゅう詰めでした。
お酒と音楽があるのは、どこのお祭りでも一緒。
革職人のデモンストレーション。厚い革にこんなに細かな刺繍を施していてスゴい!
牛の顔のジンジャーブレッド。買えばよかった。
立派な木のバルコニーのあるお家は、メインストリートに面した特等席。
山の上から数時間かけて降りてくるので、到着時間は大まかにしかわかりません。
牛たちがやってくる前に腹ごしらえ。ツヤツヤのプレッツェルが美味しそう。左はポテトサラダです。
さあ、牛たちがやってきました!
この飾りには、聖人の絵が付けられ、リンドウやエーデルワイスの造花で縁取られています。
その次はハート型に黄色いお花。
おっと、急接近。
油断していると、列から逸れた牛とぶつかりそうになります。
山から降りてきた勢いのまま街を通り抜けていくので、結構早いんです。
こちらはまた別の農場の一群。
この日は4つの農場の牛たちが、順番にやってきました。
額に当てている革製の部分も、刺繍や房飾りが施されていて素敵ですね。
牛だけでなく、誘導する農場の人たちも民族衣装でおめかし。
最後の一団を、少し追いかけてみました。
先回りして前から写真撮りたい所ですが、ぐんぐん降りて行って追い越せません(汗)。
ここがゴールの農場だったようです。
冬の間ここで過ごす牛たち、また山に行きたいなぁって思うのでしょうか。